自己破産の申し立て件数が毎年過去最悪を記録し、深刻化する多重債務問題
について、クレジット・サラ金問題被害救済の第一線で活躍する著者が、消費
者信用の現状と問題点に触れ、多重債務の整理方法を紹介したうえで、取立行
為や破産申し立て後の法的請求への対応を指南した、マニュアルで、消費者破
産に関する最先端の今日的情報を提供している。
本書は八章で構成。「クレジット・サラ金被害者救済の実務」の続編で、
「不健全な金融制度に対する正当な批判であり、社会の病理現象に対する真し
な改善であり、法的救済を受ける機会のない社会的弱者の保護であり、これら
すべてを統合した」精神の大切さを訴えているのが特徴。
無人契約機の問題点としては、大蔵省通達の「社会的に過剰宣伝であると批
判をあびるような過度の広告をしてはならない」に違反していると指摘。この
ほか、過剰融資をめぐる問題点として、テレホンキャツシング・メールキャッ
シングがいずれも与信方法に問題があるのは間違いないと述べている。
次に、支払い停止手続きである供託や、支払い継続手続きの債務弁済協定調
停など多岐にわたる多重債務の整理方法について解説した。
また、破産申し立て後の法的請求への対応としては、みなし弁済の立証方法
などを解説したうえで、書式を混じえながら、支払い督促・少額訴訟への対応
など、訴訟行為に対する具体的な方法を教示し、訴訟の流れも併せて紹介して
いる。
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