消費者金融から担保をだしてお金を借りることの危険性
サラ金から不動産を担保にお金を借りる人がいます。人によっては不動産売却ローンともいいます。
一度手を出したら、不動産を売却せざるを得ない状況にまで追いつめられるため、この名前があります。
この場合金利も10%前後
で、銀行等よりは高いとはいえ、極めて高利というわけではありません。
例をあげて説明しましょう。
あなたが不動産をもっている。不動産の時価は3000万円程度だとしましょう。
先順位に住宅金融公庫から1000万円の借り入れがあり、抵当権がついている。
そこで、何らかの理由でお金が必要になった。その理由は病気かもしれないし、
子供の学費・生活費のこともあるでしょう。
そこで、銀行からお金を借りればいいのですが、銀行はなかなかうるさくお金を
借りるのも面倒です。そこでサラ金から500万円の借り入れを不動産担保を条
件として借り入れたとします。金利は10%但し損害金が30%だとします。
あなたの不動産には極度額700万円程度の根抵当権仮登記が設定されるでしょ
う。
あなたが、契約通りの支払をすれば問題ありませんが、支払が遅れたとします。
通常の金融機関では、この段階で催促がきます。何月何日まで入れてくれとかな
りしつこくくるでしょう。
ところがサラ金は、この段階ではほとんど督促しません。なぜだと思いますか。
それはあなたの所有の不動産に剰余があるからです。このままほっておいても、
あなたの不動産から借金を回収することが出来るからです。
そこであなたが、甘えてしまい元金はおろか金利さえも支払わないとなれば当
然のことながら、30%の損害金がかかることになります。そこで3ヶ月を経
過すると、書き換えの手続きにきます。この書き換えで、損害金まで含めて元
本にしてしまいますから、あなたの借金総額は、5375000円となります。
当然に根抵当権の極度額は増額します。同じように3ヶ月経過します。今度は
元本は577万円余になっています。それから3ヶ月たてば元本は620万円
さらに3ヶ月たてば666万円、さらに3ヶ月たてば715万円、ここでよう
やく1年なのです。
このようなかたちでさらに年が経過すれば、負債は雪だるま式に増えます。
そして、不動産が競売されたときの価値(実勢の7割で2100万円)近くま
で、何の督促もしない事例があります。損害金まで含めた負債が、この実勢価
格まで膨らむのを待つ、そこではじめて厳しい督促が開始され、業者は重利部
分も含め、すべて回収するというものです。
時々「あのサラ金の支店長はいい人だ」という相談者がいます。なぜかと問う
と、いつも支払を待ってくれたということでしたが、実体は不動産の担保を取
られ、まだ僅かばかりの剰余があったからでした。その相談者が見解を改めた
のは、相談にきてからわずか数日でしたが不動産は手放さざるを得ませんでした。