
私の父親は半年前、脳梗塞で倒れました。幸い命はとりとめたものの、寝た
きりで会話も交せない状態になってしまいました。入院も長引きそうなので、父名
義の田を売って入院費に充てたいと考えています。父親は全く意思表示ができない
状態ですが、私が代わりに売却の手続きをすることができるでしょうか。
お父さんがそのような状態であると、田を売るという法律行為をあなたに委
任することはできず、委任されていないあなたがお父さんに代わって田を売却する
ことはできません。
お父さんのように「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」
については、家庭裁判所に後見開始の審判の申立てをし、お父さんの成年後見人を
選任してもらうことが必要です。成年後見人には、あなたを選任してもらうように
申立てをしてもよいですし、司法書士、弁護士、社会福祉士などの第三者の選任を
求めることもできます。家庭裁判所で適任者を選任してくれます。成年後見人には
幅広い代理権が与えられますから、お父さんのために必要ならお父さんに代わって
田を売ることもできます。
私の母は78才で、2年前に父が死去してから、一人暮らしをしています。
子供は私と妹の二人ですが、二人とも県外に住んでいます。先日、久しぶりに母の
家を訪ねたところ、高価なマッサージチェアが買ってあり、また、健康食品が大量
に買いこんでありました。母が希望して購入したのならやむを得ないと思いますが、
母もなぜ買ってしまったのかわからないといった具合で、少し呆けてきたのではな
いかと思っています。一人暮らしで、不要なものを売りつけられたりしないか、と
ても心配です。何か母を守る方法はありますか。
成年後見制度を利用して、お母さんについて補助開始の審判を受けて、補助
人を選任してもらうのがよいと思います。
補助人には、同意権・取消権や代理権を付与してもらうことができるので、例え
ば、お母さんが3万円以上の買物をするには補助人の同意がいると決めた場合、お
母さんは3万円以上の買物をする場合には補助人の同意を得なければならず、同意
を得ずにした買物は取り消すことができます。これによって、お母さんがむやみに
不要なものを購入することを防ぐことができます。ただし、この補助の制度を利用
することについて、お母さんの同意が必要になりますので、よく話し合って下さい。
補助人には、あなたを選任してもらうように家庭裁判所に申立てをすることもで
きますし、また、お母さんの住所地の司法書士等を選任してもらえば、身近にいて
お母さんの生活の状況にも配慮してもらうことができます。