多重債務からの脱出

 

債務者本人

生活の自己管理

何らかの事情で、サラ金等でお金を借り入れ、支払が苦しくなってしまってい ると仮定します。 このようなとき、まず第一に考えなければならないことは自分の生活管理です。 自分の収入がいくらで、どうしても必要なお金(家賃・電気・ガス・水道・食費 等)を差し引いて自分の使えるお金(可処分所得といいます)はいくらかを明確 に認識する必要があります。そのためには家計簿を付けることを勧めます。 そして無駄な出費はないか、車はどうしても必要か、必要であるにしても、もっ と安い車に乗り換えることは出来ないか。収入はこれ以上増える要素はないか。 アルバイトは出来ないか等生活全般の見直しを行い、経済環境の好転を努力する 必要があります。 以前同じように多重債務者一歩手前の人が相談に来て、収入を増やす事を勧めま した。彼は零細企業に勤めるサラリーマンでしたが、幸い年も30歳代と若く仕 事が終わった後タクシーの乗務員として午前1時頃まで働き200万円ほどあっ たサラ金の借金を1年程度で完済しました。 生活をいくら見直しても、改善するところがない場合は、(病気であるいは子供 が幼児で働きにてることが出来ない等)生活保護等の福祉関係の適用も考慮する 必要があり、支払が不能の場合は破産の申立・不能ではないが著しく困難な場合 は調停の申立も考えるべきで、絶対にやってはいけないことは、他のサラ金から 借りて返済資金をつくることです。

支払命令・訴状の送付 支払命令・訴状が裁判所から送達されることがあります。 通常このような事態になっている場合は、極めて経済環境が悪化していることで すから法律実務家・被害者の会等に直ちに相談に行く必要があります。 しかしながら、その踏ん切りがつかなく愚図愚図している間に、裁判に負けたと 同じ効果のある債務名義をとられてしまうことがあります。債務名義をとられて しまうとたとえその後、破産の申立をしても免責が決定するまでの間に、給料等 が差し押さえられたりする可能性があります。ですから、このような書面が送付 されたときは直ちに専門家に相談してください。また相談事項は、これら書面の 対応だけではなく、根本的な解決方法であることを忘れないでください。